コラム
アンケート調査の依頼方法と依頼文・メールの書き方
2023.08.07
[コラム]

アンケート調査は、回答するユーザーの参加がなければ成立しません。そのため、アンケート調査の実施時は、回答者(ユーザー)に分かりやすい「アンケート依頼文」を作成することが大切です。記載する項目や文面が適切でなければ、回答率が大きく低下してしまうかもしれません。
そこで今回は、アンケート調査の依頼文・依頼メールの書き方や例文、注意点などについて解説します。
目次
アンケート依頼文の印象が回答率をアップさせるかも?

アンケート調査では、対象者にアンケートへの参加を求める「アンケート依頼文」を読んでもらう必要があります。この依頼文・依頼メールの内容は、回答率を大きく左右する要素といっても過言ではありません。アンケート回答には時間と手間がかかるため、ユーザーへの誠意が伝わる内容、興味を感じるような内容でなければ、ユーザーは「回答しよう」と思わないでしょう。
アンケートの回答率を高めるためには、企業側の「回答してほしい」という気持ちが伝わり、ユーザーの関心を引く依頼文が必要です。また、分かりやすい表現を心がけ、重要なキーワードや説明をもらさずに簡潔にまとめることが重要です。
アンケート依頼時に記載すべき項目

アンケート依頼時には、依頼文に以下の5つは必ず記載するようにしましょう。
- アンケートの所要時間
- アンケートの回答期限
- 個人情報の取り扱い方法
- 問い合わせ先
- アンケートの実施URL
アンケート回答にかかる所要時間
回答率を高めるために、アンケート依頼文には所要時間の目安を記載しましょう。多くのユーザーは忙しく過ごしているため、基本的にはアンケートは「短時間で済ませたい」と思うものです。そのため、あらかじめ所要時間が分からなければ、参加を控えるユーザーが増える可能性があります。
所要時間が分かれば、その時間を確保できるときに「回答してみよう」と思ってもらえます。ただし、実際と大幅に乖離があるような短い時間を記載すると、回答前に見た所要時間とのギャップから不信感を抱いて、参加者が離脱してしまうかもしれないので注意しましょう。
アンケートの回答期限
いつまでに回答する必要があるか、アンケートの回答期限も記載しましょう。一般的に、期限が指定されていない物事は後回しにされて、ほかのことを優先される傾向があります。アンケートでも同様で、回答期限の指定がなければユーザーは「後で回答しよう」と考えて、そのまま忘れられてしまうかもしれません。
そのため、アンケート依頼文では「いつまでに回答してほしい」と記載することが大切です。期限を区切ることで、アンケート内容や謝礼に興味を感じたユーザーに、早めの行動を促せる可能性があります。回答期間まで日数がある場合は、期限が近くなった段階でリマインドメールを送信するのも効果的です。
知り得た個人情報の取り扱い方法
多くのアンケート調査では、ユーザー同意の上で、個人情報を提供してもらいます。アンケート依頼文では、以下のような個人情報の取り扱い方法について明示しておきましょう。
- 個人情報を取得する理由
- 個人情報を管理する方法
- 第三者への個人情報提供の有無
- 個人情報の取り扱いに関する苦情窓口
また、個人情報の取り扱いについては、個人情報保護法(個人情報の保護に関する法律)を順守し、適切な運用が必要です。
■参考サイト
「個人情報保護法」をわかりやすく解説 個人情報の取扱いルールとは? | 暮らしに役立つ情報 | 政府広報オンライン
問い合わせ先
アンケート調査を実施する企業名については、アンケート依頼文で明示することが大切です。個人情報保護法で規定されている必要性の観点だけでなく、調査主体を明かさないアンケートは、ユーザーに不信感を与えてしまいます。そのため、企業名はもちろん部署名や担当者、連絡先など必要な情報を依頼文の末尾に記載しましょう。
この連絡先は、アンケート調査に対する不明点や疑問点について、ユーザーが問い合わせる際にも利用できます。
アンケート回答URL
アンケート依頼文は、ユーザーにアンケートへの回答を促すためのものなので、回答先のURLも必須です。
目立たない場所にURLを記載すると分かりにくいため、回答率が低下してしまいます。例えば、URL前後に行間を開けて、「◆」や「▼」などの目印を並べることで、URLが目立ち、回答ページにアクセスしてもらいやすくなるでしょう。
アンケート依頼文・メールの例文

ここでは、アンケート依頼文の例文をご紹介します。なお、細かい文面については、自社商品やサービス、調査内容に応じて、適切な内容に変える必要があります。
タイトル:【謝礼あり!】○○に関するアンケートへのご協力のお願い ○○様 平素より弊社の○○をご利用いただきまして、誠にありがとうございます。 このたび、サービスの品質改善を目的としてアンケート調査を実施することにいたしました。 今後のサービス改善のため、ご協力いただけますと幸いです。 ■アンケート概要 「◯◯◯◯に関する意識調査アンケート」 ◯◯◯◯年◯月◯日(◯曜日)23時59分締切 ※所要時間は○分前後(全○問)です。 ■謝礼 ご回答いただいた方には○○を謝礼として進呈いたします。 詳細は下記アンケートURLをご覧ください。 ◆◆◆アンケート回答方法◆◆◆ 以下のURLへアクセスしてご回答をお願いいたします。 https://www.〇〇〇.co.jp/research/yyyymmdd/ ご回答いただいた内容や個人情報は、弊社のプライバシーポリシーに従って厳重に保管し、第三者に提供することはありません。 ■お問い合わせ窓口 (電話番号/メール/担当部署・担当者名など) ====================== ■企業情報 ◯◯◯◯株式会社 (所在地) (企業サイトURL) |
アンケートの回答URLは、送付前に必ず複数人でチェックしましょう。例えば、後で本番用URLに差し替えるつもりで社内確認用のテストURLを記載していて、うっかりそのまま送付してしまう単純ミスが起こり得ます。送付前には、1人の担当者だけでなく、同僚や上司などに依頼文を実際に読んでもらい、誤記載がないかや、URLリンク先が有効かどうかなどを、しっかり確認しましょう。
アンケート依頼メールを書くときの6つのポイント

アンケート依頼文を作成するときは、以下の6つのポイントを意識しましょう。
- 依頼文に回答者(ユーザー)の名前を記載する
- 回答者(ユーザー)の興味を引く内容をコラムとして入れる
- 文章量を簡素化し回答者(ユーザー)の負担を減らす
- ターゲット層によってメール送信時間を考慮する
- 報酬を用意している場合は必ず明記する
- アンケート結果報告の有無を案内する
依頼文に回答者(ユーザー)の名前を記載する
アンケート依頼文に回答者(ユーザー)の名前を記載すると、自社が顧客と丁寧に向き合っている印象を与えることができます。また、件名や本文の最初に相手の名前を記載することで、回答者が「自分ごと」に感じて、アンケートに参加する意欲を高められるかもしれません。
名前の挿入は、メール配信システムなどを活用する場合は自動的に挿入することが可能です。手作業で挿入する場合には、名前の取り違いや挿入もれ(◯◯様のままで送ってしまう)には十分に注意しましょう。
回答者(ユーザー)の興味を引く内容をコラムとして入れる
アンケートへの回答者(ユーザー)の関心を喚起したい場合は、アンケート概要とは別に、興味を引くコラムを用意すると、回答率が高まるかもしれません。例えば、アンケート(商品やサービス)に関連するキャンペーン情報や、お得な情報・お役立ち情報などです。
ただし、依頼文はあくまでもアンケート調査と回答を促すことが目的のため、コラムを入れる場合には「アンケート調査への誘導」が薄れてしまわないように、簡潔なコンテンツを意識しましょう。
文章量を簡素化し、回答者(ユーザー)の負担を減らす
メールの件名と本文は簡潔にし、かつ伝えたい内容が伝わりやすいように心がけましょう。件名は、ユーザーがメールを開封するかどうか判断するための、重要な要素となります。件名は「アンケート調査の依頼」であることが分かるような言葉を記載し、報酬や謝礼を用意している場合は簡潔に「謝礼あり」のように追記すると、メールの開封率が高まる傾向があります。
アンケート依頼文の本文も、簡潔かつ丁寧な記載を意識しましょう。アンケート調査は、ユーザーに時間と手間をかけるものなので、商品やサービスの利用に対する感謝の言葉を添えるなど、相手への配慮を示すことが大切です。
ただし、アンケートの要件に到達するまでの文章が長すぎると、アンケートの目的や活用法など本来の「伝えたいこと」が埋もれてしまいかねません。ユーザーが文章を読む負担を減らすためにも、簡潔な本文を意識しましょう。
ターゲット層によってメール送信時間を考慮する
アンケート依頼文は、回答を依頼するターゲット層に応じて、送信時間を調整することが大切です。アンケート依頼文の送付タイミングを意識することで、メールに気づいてもらいやすくなり、アンケートの回答率が高まることが期待できます。
例えば、一般的な社会人を対象としたBtoCのアンケートの依頼文は、平日などの勤務時間帯に送信しても読まれない可能性が高く、ほかのメールに埋もれてしまいかねません。そのため、昼の休憩時間帯や週末などのタイミングに送信するほうが、リーチしやすい傾向があります。
一方、企業を対象としたBtoBのアンケートの場合は逆で、平日などの勤務時間帯を狙って送信するほうが効果的です。
報酬を用意している場合は必ず明記する
アンケート調査を実施する際は、できるだけ謝礼・報酬を用意するほうが、回答率が高まりやすいです。前述したように、アンケートは回答者(ユーザー)にとって時間と手間がかかる作業なので、基本的に参加意欲が低いケースがほとんどです。しかし、謝礼・報酬を用意することで回答者の動機付けになります。
アンケートの報酬を用意する場合は、必ず依頼メールの件名・本文で告知しましょう。依頼文でも、できるだけ早い段階で「謝礼を進呈いたします」のように記載することで、回答URLへの誘導がしやすくなります。
アンケート結果報告の有無を案内する
アンケートの回答者(ユーザー)に対して、回答した後のことについて案内するのも大切です。例えば、ただアンケートへの回答を求めるだけではなく、「アンケート調査結果は、後日、○○で記事として公開予定です」など、時間と手間をかけて参加した結果が形になることを伝えることで「消費者・ユーザー・顧客の立場に立った企業」という印象を持ってもらうことができます。
アンケート調査は、企業と消費者(ユーザー)のコンタクトポイントになるため、関係性や信頼性の向上・醸成にも役立ちます。「データを収集したい」ということだけに目を奪われるのではなく、アンケート調査を通じて「顧客と接触している」ことを忘れないようにしましょう。
良い回答を得るためにアンケート依頼文は丁寧に作成しよう

アンケート依頼文・依頼メールは、アンケートの回答率に直結します。そのため、適切な内容で依頼文を作成し、ミスがないように送付することが重要です。今回ご紹介したようなポイントを参考に、回答者(ユーザー)に分かりやすい依頼文を作成しましょう。
三菱UFJ信託銀行(株式会社三菱UFJフィナンシャル・グループ)が運営する情報銀行サービス「Dprime」なら、最適な専用アプリを活用したアンケート調査ができるため回答者に負担がかかりません。また、手間のかかる依頼文をイチから考える必要もありません。
■「Dprime」の詳しいサービス内容は以下でご覧いただけます。
【法人向け】情報銀行サービスDprime|三菱UFJ信託銀行の高品質マーケティングリサーチ
マーケティングの専門的知見を活かし、企業様のマーケティング課題把握やアンケート設計から、データの収集、レポーティングまで一気通貫でご支援いたします。この機会に、顧客ニーズや市場動向に着目したマーケティングリサーチについて、お気軽にご相談ください!
関連コラム
高品質なマーケティングリサーチならDprime
詳細なパーソナルデータをもとに、確かなリサーチを可能にします!